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後継者問題

最終更新日 2024年11月20日

「マネジメント・バイアウト」とは、合併や買収(M&A)の手段の一つで、経営陣による自社株式の購入(株主から株を譲り受ける)や、ある事業部門を社内で責任者へ譲渡し、経営陣から独立することをいい、「MBO」ともいわれます。

本来であれば自己資金投入により実施されるほうが望ましいですが、難しい場合には買収の対象となる企業や事業の資産、将来収益などを担保とし、金融機関や投資ファンドなどから支援を受けて行われます。

「MBO」成立後、投資先企業の経営が軌道に乗り出すと、企業の価値の向上を判断して上場したり、他企業に株式を売却するなどして、投資金を回収します。

従業員が株式を譲り受ける場合は「EBO」(エンプロイー・バイ・アウト)、経営陣と従業員が一体となって行われる場合を「MEBO」(マネジメント・アンド・エンプロイー・バイアウト)といいます。

「MBO」は1980年代より欧米で活発化し、その後1990年代からは日本でも徐々に見られるようになってきました。

用いられる背景としては、事業の効率化を図るための構造改革や、事業の再編、整理、社内からの独立、株式の非公開化などが挙げられます。

一般的に「TOB」(株式公開買い付け)は外部による買収となるため、敵対的買収というケースが多くなりますが、「MBO」の場合は経営陣や従業員など関係者により行われるため、商号や屋号を引き継ぐケースも多く、いわゆる「暖簾分け」の手段として捉えられます。

近年では、敵対的買収からの防衛手段として市場から自社株を買い集めて、株式上場を自ら廃止する「非公開化」をする企業も見られるようになってきています。

「上場企業」という一つのブランドを放棄することはデメリットであるように思われますが、この場合のメリットとしては、企業買収に晒される危険性の排除、株主の声に左右されずに経営できる自由度、株価動向の影響を受けずに済む、などが考えられ、株式市場を通じて資金調達をする必要性のない企業にとっては、有効な手段の一つであるといえます。

 

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