最終更新日 2024年11月20日
◇昔は石油の埋蔵量がはなくなるといわれていた
資源として広く使用されている石油ですが、何十年も前からあと数年で枯渇するということが度々話題となっています。
しかし、その一方では枯渇をすることはないということを言う専門家も存在しています。
では実際にはどちらが正しいのでしょうか。
石油とはどのようなものなのでしょうか。
専門的に言うと、炭素と水素の化合物を主成分とする鉱物資源ということになります。
どのようにして出来たのかは諸説ありますが、水中のプランクトンの死骸などが土砂などとともに浅い海もしくは湖などに溜まり、それを微生物がケロジェンという有機物に変化させ、さらにその上に泥や砂が積もったことで何らかの化学変化が生じ、長い時間を掛けて分解され出来上がった液体であるということのようです。
また、液体ではなく気体上になったものは天然ガスと呼ばれています。
自然に湧き上がるものではなく、太古の昔から長い時間を経て出来上がったものですので、使い続けることにより、近い将来もしくは遠い将来かは分かりませんが枯渇することは目に見えているものなのかもしれません。
ただ、どの程度の期間でそれが訪れるのかは残念ながら誰にも分かりません。
現在可動している油田の数は3000以上あるとも言われています。
そして、それらの他に未だに採掘されていない油田の存在も考えられます。
その数は可動している油田の10倍以上とも言われています。
◇新たな採掘と再利用技術が確立している
もちろん、人類は新たなエネルギー源を求め、日々採掘をしていますので、多くの油田が新たに採掘されている可能性もありますが、その埋蔵量は計り知れません。
さらに、技術は日進月歩、進化し続けています。
以前は油田は気圧で吹き上がってくる原油を採掘してしまったその時点で価値が無いものとされていました。
しかし、現在では原油と一緒に吹き上がってきた地下水や天然ガスなどを油田に戻すことで圧力を元の状態に戻し、残っている原油を取り出すという二次回収という技術が確立されています。
この技術によってこれまでは取り残されていた原油も取り出す事が出来るようになりました。
さらに、今後三次回収と言った新しい技術が確立されるような事があれば、さらに取り出す事が出来る原油の量は大幅に拡大しますので、採掘量は増えてくることが考えられます。
しかし、先程言ったように石油は有限のエネルギーです。
諸説ありますが、採掘することが出来る年数は50年ほどでは無いかとも言われています。
第一次オイルショックが起きた時にはあと30年ほどで枯渇するとされていましたが、その時には確立されていなかった技術の進歩や新たな油田の発見などにより、可能採掘年数は大幅に延びています。
そして、地球の人口はどんどん増え、それに伴ってエネルギーの使用量も増えてきているのが現状です。
そこで、考えられているのが、石油を採掘するのではなく今あるものから作り出す技術の確立です。
考えられているのが、プラスチック製品を使用するという方法です。
実はプラスチック製品のほとんどは石油から作られています。
一部の製品は自然に分解されるようなトウモロコシの芯などが使用されているものもありますが、ほとんどはそうではありません。
使用され、捨てられるだけであったプラスチック製品を元の状態に戻すことが出来ないかと考えられているのです。
ゴミとして捨てられているプラスチック製品を元の状態に戻す技術は研究途上であり、費用などのことも考えるとまだまだ実用化には遠いのが現状ですが、今後の技術の進歩によってそのような技術が確立される日が来るかもしれません。
◇未知なる研究も進んでおり当面は心配ない…
そしてもう一つが石炭を使用するという方法です。
石炭は途上国などで使用されていますが、使用量が減っているということもあり、可能採掘年数は150年以上であるとも言われています。
石炭の主成分も炭化水素であることから、返還をさせる事が出来れば、エネルギーの心配は当面なくなります。
現代では、南アフリカなどで製造が行われているという現状もありますので、今後の拡大が期待されています。
生物には、天然ガスの主成分であるメタンガスを生成するという能力があります。
そして、実は微生物の中には石油を生成する能力を有する物もいるということが発見されました。
この微生物の名前は「ボツリオコッカス」「シュードコリスティス」です。
これらの微生物は光合成を行うことで、その能力を発揮するものです。
それぞれが重油と経由を生み出し、体内に蓄積させる事が出来ます。
微生物が一度に生成する量は非常に少ないものですが、適切な栄養と生育環境を整える事が出来れば、人為的に培養するということも不可能ではありません。
微生物を活用するという方法は、比較的新しい方法であり、研究段階ではありますが、他の方法と比較をし、実用に耐えうるものであると判断された場合には、一気に拡大をする可能性を秘めている方法と言えるのでは無いでしょうか。